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全国で初確認の「セルリー疫病」に負けない ピンチをチャンスに変える

真剣な表情で研修を受ける部会員

JA松本ハイランドとJAあづみの生産者で構成する松本洋菜部会は、2021年6月に全国で初めて長野県南部のほ場で確認され、2022年には中信地区でも発生が確認された「セルリー疫病(仮称)」について知り、疫病対策を徹底しようと、1月18日、松本市のJAグリンパルでセルリー栽培勉強会を開催した。部会員35人が参加。勉強会では「疫病に対する知識と対策方法」や「防除を行ううえで春作で特に気を付ける点」などを学んだ。
長野県野菜花き試験場環境部主任研究員の藤永真史さんによると、同疫病はカビの一種であるフィトフトラ属菌が原因。外葉の黄化を伴う生育の停滞や維管束の褐変、芯や根の腐敗などが生じ、収量や品質の低下につながる。最新の研究で(1)育苗の潅水時きれいな水を使用することで健全苗の確保、(2)疫病菌は土壌表層に集まる性質があることから表層の土壌管理を徹底すること(3)地下排水対策として硬盤破砕を行う―などの対策が有効であることが判明。「長野県は全国に先駆けてこの疫病と戦っている。このピンチをチャンスと考えて他の産地よりも先に克服していこう」と呼びかけた。
JA松本ハイランド管内では、34戸の生産者が23ヘクタールで作付けしている。安全・安心なセルリーを栽培するため、生産管理を徹底。品質向上のため、ほ場巡回や、定期的な勉強会などを通し、部員一丸となり、高品質化に取り組んでいる。同部会の滝澤広志部会長は「今まで未知だった疫病の原因や特性が分かったことでようやく対策が取れる。生産者としてより良い農産物を出荷するとともに、今後も部会で情報を共有し、全体のレベルアップを図っていきたい」と意気込んだ。