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ブドウ共同防除つづけて60年 特産ブドウ畑を次の世代へ

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防除剤を散布する武井組合長

松本市入山辺の橋倉共同防除組合では、果樹園の防除がスピードスプレヤー(SS)主流となるなか、定置配管共同防除を60年にわたってつづけている。橋倉地区は、標高が700メートルあり、ブドウの甘みが増す寒暖差の条件がいい一方で、SSが入ることのできない果樹園の多い傾斜地。そこで、地中に通した配管から防除剤を組合員のほ場へと散布し、共同防除を行っている。この共同防除は、高価なSSの購入費用削減、一斉散布による薬剤のコスト軽減、作業スケジュールの共有による品質の統一などさまざまなメリットを生んでいる。
同組合が共同防除をつづけるのは、組合員の多くが兼業農家で規模が小さいことも要因の一つ。組合員戸数20戸、栽培面積2ヘクタールで、一戸当たりに換算すると10アールと小規模。また、高齢化の影響もあり、共同防除がなければブドウ生産を続けらないと話す組合員も多い。組合の中心となって活動する6人の役員は、会社員のころから仕事と組合の取り組みを両立し、定年後の今でもぶどう園を次世代につなぐために組合の活動を続ける。同組合の武井勝己組合長は「山辺のブドウを守りたいという思いで親の代から受け継いできた地域にとって必要不可欠な組合。私も子どもの代へとバトンをつなぐため、活動を続けていく」と意気込む。
9月6日、今年度9回目となる防除作業を実施。組合役員がコンクリートタンクに約4500Lの薬液をつくり、町会のマイクによる防除開始のアナウンスとともに同地区内で一斉に作業がスタートした。防除作業を終えた組合員の赤廣紀久子さんは「自分一人で防除するのは心身ともにとても大きな負担。共同防除のおかげで毎年ぶどうの生産を続けることができ、感謝している」と話した。