松本ハイランド情報
農をつないでいくために 土づくり講習会初開催
更新日:2024.08.27

野村部会長(左)と講師の木村さん(右)
JA松本ハイランドは資材価格高騰など生産コスト上昇を踏まえ、農業の省力化を目指すとともに、より持続的な農業の実現にむけて各部会などと連携した取り組みを行なっている。同JA野菜部会は8月22日、松本市のグリンパルと8支所をオンラインで結び、土づくり講習会を初開催した。実参加とオンライン参加あわせて、部員ら122人が参加した。
同部会の野村哲部会長はあいさつで「本日の研修会を通じて土づくりについて学びを深めてほしい。その上で日々の生産に活かしれてもらえればうれしい」と話した。
株式会社ORGの木村純也代表取締役社長を講師に招き、「農業者が得ておきたい土壌の知識」と題して講義を行った。同氏は20年以上に渡り全国各地で土壌調査や新たな肥料開発を行っているほか、自身も養蜂家として日々農業に携わっており、実体験を踏まえ講義を行った。
講義では、「いい土は①物理性②化学性③生物性の3要素のバランスで決まる。まずは物理性を上げることが最優先であり、団粒化を狙う資材を入れることで結果的に化学性が整い、比例して生物性が上がる」と説明。その後は物理性の悪いほ場の例を紹介し、すべてのバランスを整えるためには腐植と粘土に目をむけ、土の団粒化をすすめることが大切であり、反収に大きな影響が出ると強調。参加者は「全国で土づくりに積極的に取り組んでいる産地や取り組み内容を知りたい」など積極的に質問し学びを深めた。
同社の木村代表取締役社長は「農業はコストをかけたからいいものができるわけではなく、引き算の考えが求められる。自身のほ場をよく理解し正しい土づくりを行うことで大切な土地を守ってほしい」と願いを込めた。