JA松本ハイランドは近年全国的に急増している高級果実などを中心とした農産物の盗難を防ぐため、長野県の実施する「地域発元気づくり支援金事業」を活用した防犯対策に取り組んでいる。同JA山辺支所管内では2020年に「シャインマスカット」など大粒種を中心に盗難が発生し被害額は数十万円に及んだ。こうした状況を踏まえ山辺地区の再生協議会らを中心に「安心な山辺づくり事業」として、地域ぐるみで盗難防止に乗り出している。
「安心な山辺づくり事業」では青年部員15人がぶどう出荷のピークをむかえる8月から10月半ばまで昼夜交代でパトロールを行っている。また、防犯カメラ30台、注意喚起の看板50個を設置し防犯意識を高めている。
同JA山辺支所は9月1日、松本市の山辺ぶどう集荷所でぶどうの盗難防止対策のPR活動として決起集会を行った。同JA職員や生産者、警察関係者ら15人が参加し同地区特産であるぶどうを盗難から守るため地域全体で取り組むことを確認した。また、近くのほ場に設置された防犯カメラが正常に稼働しているか確認したほか、同JA青年部山辺支部の部員が軽トラックでほ場の巡回を行った。
同JA果樹部会の倉田佳実部会長は「生産者にとって我が子同然に手塩にかけて育ててきた農産物を盗まれることは悲しく、怒りさえ覚える。こうした活動を行うことで、地域の目が光っていることを周知し盗難防止に繋げていきたい」と話した。